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蜂蜜は"糖の塊"なのか。

  • 執筆者の写真: Ryusei
    Ryusei
  • 6月7日
  • 読了時間: 5分

 先日養蜂見学の機会に恵まれ、aniceの2人でとある世田谷の養蜂場に伺いました。自宅にも巣箱があり、養蜂場にはさらに多くの巣箱。それぞれの箱の中で蜜蜂がせっせと働いていることを想像すると、とんでもない労働力に感心させられます。

蜜蜂の巣箱
蜜蜂の巣箱

蜜蜂の行動を探る

 まず教えていただいたことは、巣箱にある蜜蜂の出入口に近づかないこと。蜜蜂からすると侵入者と捉えられてしまうため、襲われる危険があるとのことです。ドキドキしながら決して正面には近付きませんでした(そもそも虫が苦手なのです)。

巣箱の正面に待機する蜜蜂
巣箱の正面に待機する蜜蜂

 巣箱を覗く前に"燻煙"をします。蜜蜂たちに煙を感知させることが目的です。煙を感知すると、蜜蜂たちはそれが山火事かもしれないと思うわけです。蜜蜂たちは巣を捨てて避難をする前に、集めていた"蜜"をお腹いっぱいに吸い込みます。お腹がいっぱいになると人でも動きが鈍くなりますね。その隙に養蜂家の方々は点検や蜂蜜採集に取り掛かります。

燻煙
燻煙

 今回訪れた養蜂場では、巣箱を開ける前にドアノックのようにトントンと叩いていました。養蜂場によって異なるようですが、これは蜜蜂たちに対してこれから巣箱を開ける、という"合図"を事前に送っているのだそうです。確かに私たちの立場でも、インターホンなしに、急に室内に侵入されたらたまったものではありませんね。


 出来る限り蜜蜂たちに敵対心を持たれないように工夫を重ねているのですね。蜂蜜は蜜蜂たちの食事でもあるため、採集のしすぎでも怒らせてしまうこともあるようです。蜜蜂たち行動の意味を知ることで、上手く付き合っているんだなと感心します。


蜜蜂の分蜂

 分蜂は、蜜蜂の巣が大きくなり新たな女王蜂が誕生することで、群れの一部を他の場所に移すことです。養蜂家はこれをなるべく避ける傾向にあるそうです。なぜなら、蜜を集める働き蜂が減少するからです。故に、定期的に巣箱の点検をしなければなりません。


 今回伺った養蜂場では、巣箱から離れた蜂たちの行き先が梅の木の高い位置でした。養蜂家によってはこの巣の女王蜂を捕獲し、巣箱に入れることで蜂蜜を採集させることもあるようです。蜜蜂の習性をうまく活用していますね。


採れたて蜂蜜はどんな味?

 今回偶然採れたて蜂蜜を食べる機会に恵まれました。蜜蜂は花から取れる蜜を集めますが、その種類は数えきれないほど。花から蜜を取ると自分たちの巣穴に戻り、巣房と呼ばれる六角形の穴に入れます。その後水分を十分に飛ばし糖度が高くなったタイミングで、蜜蝋という白い蓋をするのです。


採れたて蜂蜜
採れたて蜂蜜

 今でも覚えています。採れたての蜂蜜はハーブのような香りを纏っており、蜂に食べているところが見つかり襲われるのではないかと警戒していました。食べてみるとインパクトのある甘味!そして鼻を抜けていくハーブや花のような香り。後味はすっきりとしていて、気がつくとその味わいは口の中から儚く消えていました。このような体験を出来たことに改めて感謝の念が込み上げます。

結論、蜂蜜の何が良いのか。

 ここで冒頭の問にお答えします。蜂蜜は"糖の塊"です。ですが、それだけではありません。少し詳しく掘り下げていきますね。


 個体差はかなりありますが、蜂蜜の主な成分は果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)。そこに微量ながらミネラルやビタミン系、抗酸化物質など何十何百種類も含まれることもあります。糖は蜂蜜の時点で分解され切っているので吸収はとても早いです。

 ここで大切なことは、蜂蜜は"糖"であり、血糖値を上げることは他の糖と同じです。では、なぜ蜂蜜は比較的血糖値を上げにくいと言われるのか。それは、含まれる"糖の種類"に関係します。

 ブドウ糖は消化酵素を必要としない程分解されきっているため、体内に入ると直ちに腸で吸収されます。ですが、果糖は肝臓を通り代謝を調整するホルモンを分泌させます。栄養素を吸収する準備をさせてくれるんですね。だからと言って食べ過ぎは注意。果糖は脂肪を蓄積させやすい糖なので、たくさん食べればいい、というものではありません。"同じ糖でも働きは同じではない"ことをしっかりと覚えておいてください。


 味の面でも蜂蜜は注目されています。繊細ながら力強いハーブのような香り、花の酸味が余韻を残す深い味わい。採集された蜜の種類によっても大きく味わいや成分を変化させていくため、個人的にはワインのようなテロワールを感じます。


 ただし、健康補助食品や医療として確立しているわけではありませんので注意が必要です。蜂蜜によっては大学の研究室と協力し、検証結果を載せているものもあります。自身でも念入りに調べた上で摂取することをお勧めします。


蜂蜜は ”選ぶこと”

 ここまでのお話は蜂蜜が、”非加熱” であり、”原材料が蜂蜜のみ”に限ります。市販の蜂蜜には、加熱処理されたものや糖・水飴を混ぜ込んでいるものがあります。各々で成分表を確認し、選ぶことが大切です。

 ただし、”非加熱”かどうかは商品に記載をされていないこともあります。”ローハニー”、”純粋蜂蜜”、”非加熱蜂蜜”等、記載はそれぞれありますが、国が定めたものはありません。ですので、養蜂家によっては敢えて記載はしない方針の方もいます。やはり個人で調べることが肝要ですね。

 調べる過程で蜂蜜にはどのような価値があるのか、その点も知っていただけると嬉しいです。価値ある蜂蜜ですが商業的に加工されたものは少なくありません。私たちがどの蜂蜜を選択するかは、未来の養蜂家の方々への”投票”に似ているかもしれません。蜂蜜がどんなものであるか、これが曖昧になればなるほどより安価の商品を選びがちです。すると、比較的高価な蜂蜜は売れなくなってしまいます。養蜂が続かなければ、いつの日か自然の蜂蜜を食べられなくなってしまうかもしれません。全員が食にこだわりを持っているわけではないことは承知の上ですが、個々人が ”何を購入するか”は深い意味を持つように思います。

 いつもanice応援してくださり、記事を読んでくださりありがとうございます。私たちも一層学び、より良い商品を作れるように精進したします。


 
 
 

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