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一滴に宿る、南国の恵み

  • 執筆者の写真: Ryusei
    Ryusei
  • 1 日前
  • 読了時間: 7分

 aniceの商品が4種類あります。すべてに共通して使用されている”素材”が何であるかわかるでしょうか。

それは、有機ココナッツオイルです。


 ココナッツオイルは良質な素材である、そう聞くことは多いのではないでしょうか。ですが、なぜ良いのか。良質な油分であるから、MCTオイルだから?、エネルギーに変わりやすいから。

 であるならば、なぜそれらの要素が良質な素材である理由になるのでしょうか。このコラムではaniceで使用している有機ココナッツオイルについて深掘りしていきます。

 ココナッツオイルはどのように作られるか。

 aniceが使用している有機ココナッツオイルは、ココナッツの専門店であるココウェルの商品です。


 2004年に創業され、ココナッツの可能性を追い求め、その特徴を最大限活かした高品質の製品をお届けするとともに、ココナッツ農家をはじめとするフィリピンの貧困問題を解決することを目指している会社です。フィリピンでは”生命の木”と呼ばれるココナッツ。生産性が高く、木や葉、実も全てが捨てるところがない利用価値の高い植物とされています。


 このココナッツオイルは香りがしないことが特徴の一つです。ココナッツの果肉を乾燥させた”コプラ”を使用しているのです。


 果肉を圧搾してオイルを抽出する前に、水分を飛ばします。その過程で揮発性のある香気成分が減少。菌の発生源である水分も同時に減少するため、保存性も上がり一石二鳥。


 その後、固形分を濾過して取り除きオイルと分けます。香りがまだ残っているため、ヤシ殻活性炭と天然粘土鉱物を使用して香りを除去し、ココナッツオイルが精製されます。


 香りのあるものが、香りを除去されている。少し不安に思う方もいるかも知れませんが、自然な化学反応(香気成分の揮発)と自然由来の物質を使用した方法です。また、前回のチョコレートのお話でもあった”有機認証”を取っており、第三者の視点からも調査されている点も安心ですね。

 なぜ良質と言われているのか。

 ココナッツオイルが良質と言われる所以。主に、ココナッツオイルに含まれる脂質が①酸化しにくい点②エネルギーに変換されやすい点が挙げられます。


 ①丈夫な家は、丈夫な材料から生まれる。

 まずは前提として、脂質は酸素に触れることで酸化します。これが進んだ先に、人体の細胞膜を傷つける物質が生まれるのです。細胞膜の材料は脂質。材料の質がよくなければエラーが起きます。それが炎症

 想像してみてください。目の前にある家はレンガや木材から作られています。良質な材料を使用していれば丈夫な家になりますね。ですが、質の良くない材料ばかりで作っていくと、少しの風雨であってもヒビが入りやすいですね。たくさんの手入れが必要になります。

 私たちの細胞も同じです。酸化した脂質という傷んだ材料ばかりでは、細胞も本来の力を発揮できないのです。炎症は、身体の修理活動の一つ


 ですが、ココナッツオイルはこの酸化自体しにくい傾向にあります。化学的な物質名を見てみるとわかりやすいのですが、ココナッツオイルは飽和脂肪酸を多く含みます。すでに”飽和”しているので、酸素の付け入る隙がないほど安定しているのです。逆に比較的酸化しやすい脂肪酸は、不飽和脂肪酸。ゆとりがある分、不安定なのがわかりますね。


 私たちは加熱調理で油を敷きますが、油の多くが加熱に強いわけではなく、そのタイミングで酸化をします。日本食品分析センターの調査の一つに、面白い結果があります。オイルを複数用意し、120℃で加熱をしながら空気を送り込む(とても酸化のしやすい条件)と、どれくらいの時間品質を保っていられるか、といった実験ですね。


 頭ひとつ抜けた結果を出したのが、オリーブオイル、12.9時間。その他は、綿実油3.3時間、サラダ油4.2時間、キャノーラ油5.0時間、米油5.3時間、胡麻油7.4時間。

 では、主役のココナッツオイルは一体何時間なのでしょうか。驚く結果です。さらに頭一つ抜けた、39.2時間。オリーブオイルの約3倍。酸化のしにくさは随一です。


 ②鎖の短さは工程の短縮

 さて、次にエネルギー変換のしやすさについて見ていきます。ココナッツオイルにはMCTと言われる脂質が含まれます。MCTは中鎖脂肪酸のこと。中くらいの長さの鎖を持った脂肪酸。この鎖の長さが重要になります。鎖の長さが短いほど消化に手間がかからず、エネルギーに変換されやすいのです。


 中鎖脂肪酸は総称であり、そこにはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸と呼ばれる物質が含まれます。研究者によってはラウリン酸は長鎖脂肪酸と判断する方もいるので一概には言い切れないので注意が必要です。とにかく、ココナッツオイルにはこの中くらいの長さを持つ鎖の脂肪酸が約60%ほど含まれるのです。一般的な植物油にはこの中鎖脂肪酸はほとんど含まれないため、ココナッツオイルが自然界の中でも非常に珍しい油であることがわかるかと思います。

 

 体内に取り込まれた脂質はまず分解され、吸収されやすい状態にされます。ここで、脂肪酸の鎖が長ければ長いほど分解には手間がかかり、吸収されるまでに時間を要します。少し説明しますね。

 鎖の長い脂肪酸の特徴の一つとして、水に溶けにくことが挙げられます。脂肪を分解する酵素はありますが、水の中でこそ効果的に働きます。この時点で難易度が高い気がしますね。まずは乳化をさせ、油分と水分を合わせながら分解をしていくのです。お肌のクレンジングをイメージするとわかりやすいかも知れません。それでも分解しきれず、別の場所に移動されることも。


 一方で、鎖が短いものほど酵素による分解をあまり必要とせず、腸からすぐに吸収されエネルギーに変換されます。ちなみに、この脂肪酸のみを濃縮していったオイルがMCTオイルと呼ばれるものです。ココナッツオイルとMCTオイルは似ているようで別物なので気をつけてくださいね。

 

 結論、ココナッツオイルは全体の約90%が酸化しにくい脂肪酸、約60%がエネルギーに変換しやすい脂肪酸ということです。熱や空気の影響を受けにくく、植物油の中でも特に安定した性質も持っていることがわかりますね。身体にとっても効果的に働き、保存性もある天然の植物油。”良質”、そう言われる理由がよくわかります。

 食べるもので体はできている

 このコラムを書いてる際に改めて感じたこと。それは、食べたものが及ぼす体への影響は良くも悪くも大きいということ。普段自分にとってマイナスの出来事に遭ったときはその日の食事まで振り返り、原因を分析するようにしています。


 ちょうどこのコラムを書いている期間、言語化できないけれど普段と違う体調に違和感がありました。それだけでなくお通じの調子が良くない、寝つきが良くないと、その日はひどいものでした。

 原因を辿っていくと、他店の気になるコンセプトの商品を食べ比べしたことでした。成分表には小麦粉を使いつつも、膨らませている要素は膨張剤。普段小麦をよく食べますが、どれも酵母でしっかりと分解し、消化しやすくされたものです。頻繁に検証するので分かってはいたのですが、やはりこういった商品は私の身体に合わないようでした。


 体調がすぐれない時ほど、普段の生活が贅沢に見えてきますね。”丈夫な材料が丈夫な家を作る”、まさにその通り。普段の食事が体を作り、その体を資本に生活。ここまで考えているからこそ、素材選びには妥協しません。


 何度もお伝えしていますが、何事もバランスが大切。世の中で”良い”と言われているかといって、過剰に摂取することはお勧めしません。なぜ良いと言われるのか。それを調べ、中身を知ること。すると、同じ商品でもなぜ値段が他より高いのか、その価値に気がつきます。そのような”自力で調べる習慣”の一つのきっかけがaniceのコラムであれば嬉しいです。

 はじめは限定的な知識かも知れませんが、知れば知るほど、知識と知識がつながります。その中で、自分に必要な知識を自然と実践するようになり理解が一層深まることで、”中身のある知識”になるのだと思います。知識は大切ですが、頭でっかちではもったいないですし、説得力にも欠けます。まだまだ勉強不足ですが、コラムを通して皆さんと学んでいけると嬉しいです。

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