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カカオを知れば、チョコレートはもっと美味しい。

  • 執筆者の写真: Ryusei
    Ryusei
  • 7月4日
  • 読了時間: 5分

 そのチョコレート、何から作られているかご存知ですか。チョコレートと言えば、現代では欠かせない甘味の多くに使用されています。お店にとっては原価が上がり続けていることで、ある意味話題にあがりやすい素材とも言えます。

 

 aniceではチョコレートを厳選してスコーンやベーグルに使用していますが、市販のものと一体どのような違いがあるのか。このコラムを読み、カカオを知り、aniceのこだわりの1つを知っていただき、より美味しくチョコレートをお召し上がりいただけたら嬉しいです。

カカオの実はどのように姿形を変えていくのか

 果実を剥いていく様子をイメージしながら読み進めてください。

 まずカカオの実は2つに分かれます。外皮(殻)果肉です。果肉はカカオパルプと呼ばれ、とても重要な部位です。


 果肉であるカカオパルプの中には、もちろん種子があります。これがカカオ豆。果実同様カカオにも種の存続があります。

→果肉の状態で数日間発酵することで、チョコレートらしい香りの元が生まれます。果肉を取り除いた後は天日乾燥で水分を飛ばします。そうすることでカカオ豆の加工準備が完了。


 カカオ豆は殻の部分をカカオハスク、それを取り除いた中身をカカオニブと言います。カカオニブが砂糖も油脂も加えていない、正真正銘カカオ100%の素材です。カカオニブはaniceでも使用することがありますが、酸味のあるカカオと私は捉えています。

→カカオ豆は殻を取り除く前に焙煎を挟みます。焙煎をすることで香りと風味を引き出すのです。この点はコーヒー豆とよく似ていますね。


 カカオニブを細かく砕き続けることで、摩擦熱から油脂が溶け出します。そうしてペースト状になったカカオニブのことをカカオマスと言います。ここにはカカオバター(油脂分)とカカオ固形分(油脂が取り除かれた残り)の両方が含まれています。


 このカカオマスを圧搾すると油脂分のみが分離します。それがカカオバター黄金色の油脂で、口溶けがよくカカオらしい香りを含みます。実はチョコレートだけではなく、化粧品やスキンケア商品にも使われることも。

 油脂分が抜けた残りを乾燥・粉砕したものがココアパウダー。aniceでも頻繁に使用する素材です。パウダー状なので粉に混ぜ込みやすく、焼き菓子にはぴったりです。


 最後に、チョコレートはカカオマスにカカオバターや砂糖を加え、練り上げ・テンパリングすると完成です。ミルクチョコレートの場合は乳成分がここで混ぜ込まれます。


 これがカカオの実がチョコレートになるまでの過程です。次に身近な市販チョコレートに注目していきたいと思います。

貴重なのはチョコレートではなく、カカオバター

 カカオ豆のおよそ50%は油脂であるカカオバター。この油脂だからこそ、なめらかな口溶けや香りの広がり、常温では固く人の体温で溶ける、このような特徴を持つのです。カカオバターがチョコレートの”骨格”。

 カカオの実の需要が上がる中で、供給が足りていない。カカオバターは一層貴重になり、値段は上がり続けています。


 では、なぜチョコレートによっては安価で販売することができているのでしょうか。安価に提供できるには必ず理由があります。その答えが植物油脂香料


 カカオバターは油脂分。代替品として比較的安価な植物油脂が使われることがあります。また、扱いやすくなる、という利点もあるようです。夏場でも溶けにくく形が安定するように調整することができ、大量生産に向いているのです。

 ですが、カカオバターを少なくするということは、カカオの香りが弱くなります。ここでバニラ香料やチョコレート香料で香りを補います。一定の品質を保ち、狙った風味を表現するのです。品質やコスト、流通の側面を考えた上で、効率の良い方法のようですね。

”有機”が名前に入るチョコレートは何者なのか。

 有機の認証付きのチョコレートは世界的に見てもかなり少ないです。ここで気になるのは、”有機”という言葉。有機のチョコレートについて少し深掘りをしていきます。


 そもそも"有機"と言える商品には認証が必要です。"JAS"のマークを見たことがある方は多いのではないでしょうか。

 この認証を得られるためには、原料はすべて有機の認証を得たもの、製造工程や加工場にも厳しい基準があるようです。なぜ加工場も?という疑問があるかもしれませんが、加工の過程で有機でない原料が混入する場合があるからです。徹底していますね。

 

 さらに、この"有機認証"は取得、更新、監査など料金がかかります。原材料の調達だけが負担になっているわけではないのです。一度認証を得たとしても、それにかかる維持費もあります。これだけ取得・維持にコストがかかる"JASマーク"。信頼度が高いのも頷けます。


 1つ注意して欲しいことがあります。有機JAS認証は、美味しいことが保障される認証ではなく、農薬や化学肥料にできる限り頼らない栽培方法や、加工・保管まで含めた厳しい管理基準を満たし、それを第三者機関が確認したことを示す認証なのです。

ものづくりへの思想

 チョコレートは、カカオという農作物から始まり、発酵・焙煎・精製・加工という長い旅を経て私たちのもとへ届く食品です。

 大量生産では、価格や品質の安定のために植物油脂や香料が選ばれることもあります。一方で、有機JAS認証のチョコレートは、原料の調達から加工、保管まで一貫した管理が求められるため、流通量は決して多くありません。故に値段も高価な傾向にあるように思います。


 原材料表示の一つひとつには、メーカーのものづくりへの考え方が映し出されています。aniceの原材料は”有機認証”のある食品無農薬自然栽培の食材を選択するように心がけています。私たちは手間暇のかかっている商品や食品だからこそ、生産者方のこだわりが反映され、素材本来の味わいが強く出ていると考えているのです。

 物価高の現代、aniceの商品は決して安いものではありません。私たちの考え方に共感して、お手に取ってくださるお客様方に改めて感謝を。いつもありがとうございます。今後も妥協することなく、aniceらしい素材の楽しみ方を表現していきます。


 
 
 

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